浄土真宗の寺院は親鸞聖人を宗祖と仰ぎ、聖人の化導によって真実のみ教えを聴聞する根本道場とされています。
親鸞聖人は「煩悩具足の凡夫。火宅(迷界)無常の世界は万の事みなもってそらごと、たわごと、まことあること無きに、ただ念仏のみぞまことにて在します『歎異鈔』」と言われて、念仏の力によって私たちすべてを救おうという阿弥陀さまの誓願を信じることを教えられました。
私たちは、自らのはからい、つまり自分の力で善を作る事によって救われるのではなく、阿弥陀さまのはからいによって仏の世界(真実の世界)に生かされ、阿弥陀さまの誰も見捨てる事無く必ず救うという大慈悲につつまれるのです。
阿弥陀さまの本願によって救われるから他力の信心であり、念仏を称えることによって阿弥陀さまの救済を得た後は、念仏は仏恩報謝の称名と言われています。
また、阿弥陀さまの本願は私たちすべてに等しくあたえられるものであるので、本願他力を信じて念仏する人々は同行と言われます。
このように、親鸞聖人はすべての人が念仏によって生かされる在家仏教を説かれたのです。